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北欧紀行

日本画の大家であり著述家でもある東山魁夷が紹介する北欧の様子が、「北欧紀行 古き町にて」で紹介されています。1964年に刊行されたものの復刻普及版(2010年)が書店に出ていたため手に入れました。

デンマークの章では「デンマークの人は本当の幸福を知っているのかもしれない」と述べ、当時高度経済成長真っ只中だった日本を本拠地としながらも「本当の幸福」に言及した同氏の卓越した感性に敬服します。またキートスガーデンとゆかりの深いフィンランドの章では、街を連れ立って散策した妻に「警察(の建物)が一番小さいところが気に入ったよ」(*カッコ内当園加筆)と語り、平和で友好的な国民性をさりげなく表現しています。

北欧各地の風景を紹介したリトグラフと、やわらかくあたたかい文とで織り成された、第一級の紀行文です。

試読をご希望の保護者の方々は、どうぞお申し出下さい。

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